この記事では、現在フリーランスで活動している人に馴染み深い、エージェントの手数料(マージン)について切り込んでみます。
エンジニアの収入はエージェントを活用するか否かで変わるもの。どちらが得かは一概にはいえませんが、エンジニアの段階に応じてある程度の目安はあります。
これからフリーランスに転向する方や現在エージェント経由で参画している方も、エージェントサービスを利用するべきかどうかの判断材料にしてみてください。
エージェントの手数料(マージン)とは
ほぼすべてのフリーランスエンジニアは、企業と技術者を仲介するエージェントに一度はお世話になるでしょう。
エージェントサービスでは、保有している企業案件のうちエンジニアに合ったものを紹介しつつ、契約締結までをサポートしてくれます。
契約書の作成・単価交渉などをエージェントが代行してくれるので、案件参画におけるフリーランスエンジニアの負担が軽くなる点がメリットといえます。
と、ここで考えなければいけないのが、案件紹介・事務作業などの対価として発生する仲介手数料(マージン)についてです。
大手エージェントの場合、マージン率の相場はおよそ10%~30%ほどですが、このマージンが気になってサービスを利用するか悩んでいるエンジニアも少なくないでしょう。
エージェントのマージンは適正なのか
エージェントのマージンを判断する上で、主に考慮すべき項目は下記
・企業とのマッチング
・契約締結にかかる労力
・最終的な収入
つまり、これらにかかるコストよりも利点が大きいのならエージェントにマージンを払う価値は十分あると考えられるわけです。
先に結論をいってしまえば、個人的にはほぼ全員がエージェント活用すべきだと考えているのでその根拠となる情報をまとめてみます。
ツテがなくてもフリーランスを始められる対価
多くのフリーランスエンジニアが直面する問題として、そもそも案件獲得ができない点が挙げられます。
たとえ優秀なエンジニアであっても企業と接点がないと始まりません。そのため、フリーランスとしての活動を始めるにはまず1社と契約するハードルを越える必要がありますが、多くの場合企業とのツテがない場合がほとんどです。
エージェントを活用する大きなメリットは、この『1社目のハードル』を越えるのが格段にラクになること。
すでに企業と繋がっているエージェントに仲介してもらうことで、人脈がない人でも数千数万という案件にアクセスできるのは大きな利点です。
現場切替の労力を省ける
フリーランスエンジニアの契約期間は、多くの場合数か月単位。もし契約が終了になるとまた別の案件を探すことになります。
エージェントを活用していれば、サービス利用中に次の現場を紹介してもらえるので、案件探しの労力がかかりません
さらに案件紹介時には経験スキルが即反映されるため、1社目よりも2社目・2社目よりも3社目、と着実に単価を上げることも可能。
案件切替をスムーズにしつつ収入UPの可能性を広げてくれること。この2点がフリーランスとして長期稼働するうえで個人受注よりも大きなメリットと言えます。
エージェント経由だと高単価案件になりやすい傾向アリ
エージェント活用のメリットは案件参画にかかる労力を削減できるだけでなく、実は収入で得しやすい一面も。
大前提として、エージェントの主な利益は
紹介したエンジニアの単価×マージン率
つまりエンジニアの単価が上がるほど儲かる仕組みであり、お互いの利益が連動しているのがわかります。
そのためエージェントは私たちエンジニアの利益を最大化させるために手を尽くしてくれる上に、多くの稼働者を抱えていることで企業への交渉力もあります。
結果として、エージェント経由の方が年収が上がりやすい傾向にあるといえます。
なおフリーランスエンジニアの市場調査によると、個人受注の平均年収が約400万円、エージェント経由では約750万円というデータも。
これは特にフリーランス経験が浅い人が、スキルに見合った単価で交渉できず相場より安く稼働しやすいのもひとつの要因で、そういった意味でもフリーランス初期での個人受注はあまりおすすめしません。
ただし、需要の高いスキルをもつエンジニアなら企業との単価交渉にも強く出れるので、その場合いきなり個人での受注に挑戦してみるのもアリです。
どれだけリスクを背負うかでマージンの是非は変わる
ここまでの要点をまとめるとマージンとは、①多くの企業との接点②事務作業の外注③単価交渉を一括で解決するための経費といえます。
マージンの是非については、個人で継続的に案件受注しつつ、企業に足元を見られない交渉力があるなら不要と考えるといいでしょう。
またいずれにせよ、エンジニアとしての利益を最大化させるためには、
・高単価
・低マージン率
の両方を満たすように動くことが重要になります。
このうち単価に関しては、指名で仕事をとれるレベルならツテの方が良く、実力に不安が残る段階ではエージェントを活用するべき。
一方でマージン率については個人受注なら0、エージェント経由であればなるべく低く抑えられれば良いわけです。
ほとんどのエージェントはマージン率を非公開にしていて正確な数字は出せないものの、エンジニア全体の平均では大体10%~30%だと言われています。
よって、マージンを抑えたいのであれば20%以下のマージン率を公開しているエージェントを活用するのがおすすめです。
大手かつ有名エージェントのなかだとPE-BANKが8%~12%、ミッドワークスが10%~15%とマージン率を公開しているため、気になる方は優先的に利用してみるといいでしょう。この2社は地方にも強い・福利厚生に力を入れているなど、マージン以外の強みもありおすすめです。
また、そもそも論としてより高単価な案件を目指すのも一つの解決策。
エージェントは保有案件が多いほど1案件あたりの単価が上がる傾向にあるため、大手エージェントにまとめて登録したい人はフリーランスエンジニアが登録すべきエージェント5選を参考にしてください。
普段エージェントを通しているとあまり実感しませんが、フリーランスはいつ仕事が途絶えてもおかしくない働き方です。
リスクを最小にしつつ高単価を獲得するためにも、自分に合うエージェント数社とつながっておくのは必須ですね。