本記事では、IT業界での転職事情について解説していきます。
エンジニア業務に慣れてくると誰しもが技術的成長を実感しづらくなり、一度は現場の変更を考えるもの。
一般的には転職回数が多いほど不利になると知られていますが、殊、IT業界においては意味合いがかなり異なります。
キャリアプランを考えるうえで避けては通れないIT転職について、1エンジニアなりの意見を述べるので参考にしてみてください。
転職回数が増えるデメリットとは
転職が多いことは、一般的に『我慢強さがない』『スキルが伸びていない』と判断されやすいマイナス要素です。
しかし知っておきたいのは、IT業界では転職回数がデメリットとして働くことはほとんどないということ。
というのも、現場ごとに使用する技術や言語が異なるエンジニアは、経験が多い人ほど幅広いスキルを持っている可能性が高くなります。
当然、技術力の高いエンジニアを企業は採用したいため『これまでの退職歴』よりも『自社をすぐに退職しないか』の方が重要になるわけです。
すなわち選考基準は、今までの退職理由と現在のスキルが大半となります。
言いかえると前職を辞めるに至った理由が真っ当なものであれば、マイナスに働くことはそうありません。
もしも給与待遇などが転職のきっかけだったなら、心証が悪くならないように最低限、退職理由の説明を工夫したほうがいいでしょう。
IT業界は転職が多くなりやすい構造
さらにより根本的な要因として、IT業界がそもそも転職が増えやすい構造になっている点が挙げられます。
ざっと挙げても、以下
・プログラミング言語の盛衰
・レガシー化したシステム
・企業変革の遅さ
このようにIT技術が移り変わる速度に企業がついていけないため、エンジニアの志向と現場環境の間にどうしても乖離が生じます。
IT業界で働くと実感しますが、ひとつの現場では技術的成長は数年で伸び悩むのが現実。
ですから、市場価値をあげたいエンジニアは積極的によりよい環境を探す必要があり、その結果、スキルアップのために転職するしかない状況が生まれます。
ここらへんの事情は採用担当者も理解していますから、「スキルアップのため現場を移りたい」「色々な言語での開発を経験したい」などの前向きな理由であればそこまで大きなマイナス要素と捉えられないこともしばしば。
つまり、重要なのは転職の回数自体ではなくその妥当性といえます。
むしろ上記のようなスキルを足しながら職場を転々とする働き方は、エンジニアの価値を高める・全体最適化を図るという意味で正攻法でしょう。
職歴を増やさない立ち回りも大切
ここまでの話で、職歴が増えることを過度に恐れなくてよいと伝わったと思います。
ただし、あまりにも転職が多いとジョブホッパーと見られ、市場において徐々に敬遠されるようになるのもまた事実。
そのため、エンジニアとして市場価値を上げるなら、転職とは違う形でスキルを伸ばす環境を用意することも考える必要があります。
より具体的には、現場を移りたい・別のスキルを伸ばしたいと考えるなら、一度フリーランスエンジニアとして働くことを強くおすすめします。
フリーランスは数か月~数年程度の案件を繰り返していくため、契約更新時に現場を変えやすい働き方。
つまり、経歴に傷をつけずにさまざまな技術を扱える利点があります。
加えて、これまで通りの業務内容でありながら収入が2倍以上になるのもザラで、会社員エンジニアと比較してゆとりのある生活も魅力のひとつ。
たとえばレバテックフリーランス
などのエージェントでは継続的に案件を紹介してくれる上、平均年収は862万円と高水準。フリーランスのデメリットである『不安定さ』をほぼ帳消しにしながら高単価&スキルアップを図ることができます。
ひとつの会社で修得できるスキルに限りがある以上、同じ現場にとどまってもエンジニアとしての価値は相対的に下がる一方です。
会社の経営寿命が15年ともいわれる現代だからこそ、多様な働き方を試すのが早いに越したことはないでしょう。
「一時的な就業場所」であるひとつの会社に依存しない
ここまでの話をまとめると、IT業界では転職するのに妥当な理由がある場合はあまり気にしなくてよいということ。
またスキルアップ目的に転職するのであればフリーランスエンジニアを経験すべきという話でした。
いずれにせよ就職・転職・フリーランスに共通して言えるのは、ひとつの現場に依存すべきではないという考え方です。
『正社員なら安定』という時代はとうに終わっていますし、フリーランスとして案件獲得が不安な人は、エージェントを活用することで継続案件をいくらでも探せます。
評判の良いエージェントはフリーランスエンジニアが登録すべきエージェント5選にまとめているので、どのエージェントに登録すべきか迷う人は参考にしてみてください。
正社員・フリーランスの間で働きやすさの差はほとんどないため、年収や使用技術など、その他の要素で仕事を選ぶことを優先すべきでしょう。
ただ両者とも学べることは数多くあるので『フリーランスだけ』『正社員だけ』という探し方ではなく、どちらが自分にあっているのか両方を経験してから決めるようにしたいですね。